
高気密・高断熱住宅の“盲点”? 音環境とその対策について考える
こんにちは。姫路で高性能な木造住宅をご提案している工務店、YSHOME(ワイエスホーム)です。
近年、住宅の断熱性能・気密性能の向上によって、家の中の居住環境は大きく改善されました。夏涼しく冬暖かい、そして外の騒音が入りにくい——そんな理想の住まいが、標準になりつつあります。
しかし、それと同時に見過ごせないのが「室内の音の問題」。
外の音が気にならない快適な家だからこそ、室内の音が逆に気になるようになることもあるのです。
今回は、高断熱・高気密住宅における音環境の変化とその対策について、わかりやすく解説します。
■ 高断熱・高気密住宅と音環境の関係
断熱性能が上がると、当然ながら窓や壁の構造も変化します。例えば、
- トリプルガラスや樹脂サッシの採用
- 付加断熱や高性能な断熱材の使用
これらは外気の温度を遮るだけでなく、騒音の侵入を抑える効果もあります。つまり、断熱性の高さ=防音性の高さにつながるということです。
■ 室内の音が気になる理由とは?
外からの音がシャットアウトされる一方で、家の中の音がよりクリアに響くようになります。たとえば、
- 隣室の会話やテレビの音
- トイレの水を流す音
- 子どもが走る足音
こうした音が気になるようになった、という声も少なくありません。特に、家族との距離が近いワンフロア設計や吹き抜けリビングなどの場合、音の抜け方には注意が必要です。
■ 建築基準法と換気による“音漏れ”リスク
意外な落とし穴が「24時間換気システム」です。
日本の建築基準法では、1時間に0.5回の換気が義務づけられており、部屋のドアにはアンダーカット(床との隙間)が設けられます。この10mm前後の隙間から、音が漏れるケースもあります。
■ 実際にできる音対策|設計と材料選びの工夫
音の問題は、家づくりの初期段階での工夫によって、大きく改善できます。
▼ 設計(間取り)の工夫
- トイレをリビングや寝室から離す
- 洗面室などを「音のバッファゾーン」として使う
- 音が響きやすい場所に収納を配置する
▼ 構造の選択
- 木造や鉄骨造よりも**RC造(鉄筋コンクリート造)**は音の伝わりを抑えやすい
▼ 材料の工夫
- セルロースファイバーなど吸音性の高い断熱材を使用
- 壁や床に吸音パネルや二重構造を採用することで効果アップ
■ まとめ|音環境も「暮らし方」に合わせて設計を
音に対する感覚は人それぞれ異なります。
「多少聞こえても気にならない」という方もいれば、「静かさを最優先したい」という方もいます。
だからこそ、暮らし方に合わせた音対策が大切。
私たちYSHOMEでは、高断熱・高気密住宅の性能を活かしながら、快適な音環境をつくるご提案を行っています。
家づくりは、性能だけでなく、居心地の良さも大切です。気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
