社長ブログ|住宅にとってなぜ断熱が大切なのか?

住宅を語る上でよく出てくるワード『断熱』
なぜそんなに『断熱』が大切なのか?
今回は断熱について書いてみたいと思います。

住宅にとってなぜ断熱が重要なのか?

界保健機関(WHO)暖かい住まいと断熱などを勧告。
冬季では室温18℃以上を保ち、さらには小児・高齢者にはもっと暖かく保つよう強く勧告されています。
夏季室内熱中症対策についても、新築・改修時の断熱において条件付きで勧告しています。

2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けて住宅の省エネルギー性能を一層向上させる必要があります。
断熱することで、少ないエネルギーで暮らせる、世界のエネルギー消費量も減らせる、世界の誰かのためになる…
おっと!ついつい話が大きくなりました💦
要は、断熱で解決する問題が沢山ある事が言いたかったのです💦

これまで断熱性能については義務ではありませんでしたが、2025年には省エネ住宅義務化が実施されます👀
省エネ基準は「外皮の性能基準」と「一次エネルギー消費量基準」という2つの基準でできています。
双方とも数値が小さい方が性能が良い事になり、外皮の熱性能基準は地域ごとに基準値が定められています。

省エネ基準を示すものには断熱等性能等級があり、国が定めた義務化の基準は、”断熱性能等級4” で平成28年度に作られた省エネ基準を取り入れる事になりました。
また、日本の既存住宅の9割程が省エネ基準すら満たしていないという報告があります。

日本の住宅性能は低い

断熱性能等級4について、世界水準との比較は困難ですが、気候条件が寒冷湿潤な地域ではより高い断熱性能が求められます。
ドイツのUA値は0.36位、4地域~6地域ではお隣韓国以下であることがわかります。

出典:国土交通省

また、全国の冬季死亡増加率に比例して断熱住宅普及率が低い事が分かっています。
断熱性能の良い省エネ住宅が普及している北海道では冬季死亡増加率が少なく、日本でも温暖な県で冬の死亡増加率が高い裏付けがあります。

出典:「国土交通省報道発表資料 住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する調査の中間報告 資料」 (国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/common/001158517.pdf) 「国土交通省報道発表資料 住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する 調査の中間報告 資料」 (https://www.mlit.go.jp/common/001158517.pdf)を加工して作成

寒い住まいならどうなる?

18℃以下になると、血圧上昇⇒脳梗塞・心臓発作のリスクを引き起こす要因、血液そのものも変化し危険な血栓を作るリスクも高まります。
気温が低いと、ウィルスの感染症が広がりやすくなります。
例えばインフルエンザがそのひとつ。低温・低湿環境ではウィルス感染が拡大しやすくなってしまうのです💦

暖かい住まいならどうなる?

『冬場の室温は18℃以上が健康には望ましい✨』

住宅の室温が健康に及ぼす影響について、医学と建築環境工学の専門家が連携した全国調査で、そんな知見が裏付けられています。実際に断熱リフォームで気管支喘息・アトピー性皮膚炎・手足の冷え・アレルギー性鼻炎などの改善が見らるケースがあります。
室温が安定すると血圧の季節差も縮小。
さらに、断熱性能が高くなると、結露が発生しにくくなるため掃除が楽になります。(下記の国土交通省リンク参照)

https://www.mlit.go.jp/shoene-jutaku/health-effects/index.html

快適にくらすには

快適にくらすには、温度は、冬20~22℃、夏26~28℃で湿度は40~70%です
冬は0.15m/s以下、夏は少し風があったほうが涼しく感じるので0.5m/s以下としています。室内表面温度は、室温と同じが理想です。これらが快適環境の目安となります。
快適さを得るには、服装・活動状態についてはある程度調整できますが、環境側要素4つについては建築的な性能で担保する事が必要になります。

まとめ

2025年に断熱性能等級4が義務化になりますが、2030年までに等級5に省エネ基準を引き上げる事が予定されています。
30年以上住み続けるなら、建物を建てるイニシャルコストと光熱費のランニングコストを計算すると6地域では断熱性能等級6が一番経済的であるというデータもあります。
日々の健康的で快適な暮らしをおくる為にも、また、省エネルギーや環境の意識が高まっている現在では住宅の断熱性能の向上は色んな意味でも有効な手段です。
エコで快適に過ごす為にも断熱性能について考えてみてください。